ハリアーへ地デジチューナーを取り付けたので、その作業の様子を紹介します。工程が多いので三回に分けて紹介します。このページでは、フィルムアンテナの貼り付けと、フィルムアンテナと地デジチューナーをつなぐアンテナケーブルの配線作業について紹介致します。
ハリアーへ取り付ける地デジチューナー
2011年7月24日正午をもってテレビのアナログ放送が終了し、地上デジタル放送が始まりました。ハリアーの純正オーディオシステムにはテレビチューナーが組み込まれていますが、アナログチューナーのため、地デジ放送開始に伴いテレビを見ることができなくなりました。地元では、アナログ放送の電波が入りにくく、画像と音声が途切れ途切れになることが多々あったので、あまりテレビを見ることはありませんでした。しかしデジタル化によって電波の受信が安定し、画質と音質の向上が見込めること。そして何より緊急時の情報収集の手段としてテレビは見れた方がいいだろうと考え、ハリアーへ地デジチューナーを取り付けることにしました。
パイオニアの地デジチューナーGEX-700DTVを取り付け
ハリアーへ取り付けた地デジチューナーはパイオニアのフルセグ/地上デジタルチューナー「GEX-700DTV」。2チューナー2アンテナ方式で、それぞれのアンテナで捉えた電波の欠損を補い合うことで、映像や音声の乱れを防ぐ機能や、電波の状態に応じたフルセグとワンセグの自動切換え。そして緊急警報放送の自動受信などの機能が備わっています。
映像と音声の出力はRCA端子なので、すでに取り付けてあるVTRアダプターへ簡単に接続できることから、パイオニアの地デジチューナーGEX-700DTVを選びました。ちなみに映像出力が二系統あるので、後部座席へテレビモニターを設置している車でも使えることでしょう。
フィルムアンテナをフロントガラスへ貼り付ける
それではここから具体的な作業の説明へ移ります。まずは二つあるフィルムアンテナをフロントガラスの左右上面へ貼り付ける作業です。あまり隅に近いと、フィルムアンテナへつなげるケーブルの端子がつなぎにくいので、事前にケーブル側の端子の形状とケーブルを引き出す方向を確認し、アンテナと接続する時に無理が掛からないフロントガラス上端から10mmほど下側、左右方向はピラーから40mmほど離した位置に貼り付けました。
最初に貼った運転席側のフィルムアンテナは、位置決めをしたのち、ガラスへ貼り付ける面の保護テープ(台紙)をはがしたところ、ふわっとよれた状態でアンテナがガラスへ貼り付いてしまいました。上手くはがして貼りなおしましたが、横方向のアンテナがわずかによれてしまいました。この失敗を生かした助手席側は上手く貼ることができました。
ちなみに上の写真はフィルムアンテナをガラスに貼っただけで、表面保護のフィルムははがしていません。二つあるアンテナのうち「A」と書かれたアンテナが助手席側。「B」と書かれたアンテナが運転席側です。アルファベットは端子の保護フィルムに印刷されており、保護フィルムはアンテナケーブルを接続するさいにはがします。
ピラーカバーと天井の取り外し
フィルムアンテナを貼り終えたら、次にアンテナとチューナーをつなぐケーブルの配線を行います。地デジチューナーを運転席シート下へ設置するので、天井からフロアまでケーブルを通す場所としてフロントピラー、もしくはセンターピラーが考えられますが、簡単に内装を外すことができるフロントピラーの内側を通すことにしました。ただしオプションのカーテンシールドエアバッグ装着車は、エアバックの作動に支障がない配線ルートを検討してください。
助手席側のケーブルは助手席側を。運転席側のケーブルは運転席側のピラーを通します。作業自体は同じ手順なので、ここでは助手席側の作業の様子をお伝えします。
フロントピラーカバーの取り外し
まず内装はがしを使用してフロントピラーのカバーを取り外します。天井との継ぎ目に内装はがしを差し込めばカバーが浮きます。ちなみに私は、エーモンの内装はがし「1425」を使っています。ポリカーボネイト製なので内装へ傷を付けにくく一本あると何かと重宝します。
内側で固定しているクリップが特殊なのかこれ以上浮きませんでしたが、ケーブルを通すだけなのでこれだけ浮けば十分です。
サンバイザーを取り外し天井を浮かす
距離は短いものの天井裏へケーブルを通すので、天井を少し浮かせます。天井はサンバイザーを固定しているネジで共締めされているのでこのネジを外します。
ヒンジ部分の化粧カバーを外すとネジが現れるのでプラスドライバーで外します。内部にバニティミラーランプの配線があるので、そのコネクターを外すとサンバイザーが外れます。
オーバーヘッドコンソール内に隠れているネジを緩めます。緩めれば天井ががたつくので、緩めるだけでいいでしょう。
フロントピラーへのアンテナケーブルの配線
ピラーと天井が浮いたらケーブルを敷設します。ピラーの途中からケーブルを差し入れ天井裏へとケーブルを這わせます。写真ではチューナーへ差し込むコネクタ側を頭に、ピラーカバーの内側へケーブルを通していますが、アンテナへ接続する端子側から差し込んだ方が作業しやすいです。
ピラーから天井裏へケーブルを引き込んだら、接続端子を天井裏から引き出します。天井から引き出すことでケーブルに無理な力が掛からず見た目も綺麗です。紹介した地デジチューナーとは違うチューナーを取り付ける場合、アンテナへ接続する端子の形状を確認して、ケーブルを引き出す方向(場所)を決めると綺麗に収まるでしょう。
天井裏からケーブルを引き出したら、フィルムアンテナへ端子を接続してもいいし、全ての配線が終わった時点で接続してもいいと思います。私の場合は、予定した場所へケーブルを通すことができるか確信を持てなかったので、途中でケーブルを通す場所を変更する可能性を考慮して、全ての配線が終わった後で接続しました。
フィルムアンテナから天井裏へ。そしてピラー内を通したケーブルは、写真の位置から引き出しました。ピラー内の構造部材に切り込みがあり、ピラーカバーを固定しているクリップの下側へケーブルを這わせて、写真の位置から引き出しました。
その状態から構造部材でケーブルを傷つけないように気を付けながら、ピラーのカバーを叩き込んで元に戻します。後はベージュのウレタンゴムをめくって、その中へケーブルを通します。
ウレタンゴムをめくりながらアンテナケーブルを収めていきます。ウレタンゴムは柔らかいので簡単にめくることができます。通勤快速ハリアーには、ディーラーオプションのエンジンスターターが付いており、写真の通りそのアンテナがダッシュボード上に設置されています。このスターターアンテナのケーブルも、ウレタンゴムの内側を這わせてありました。
グローブボックスの位置までアンテナケーブルを這わせてきました。ここまでは割と簡単に作業が進みましたが、ここから少し難易度が上がる後半の作業です。
フロアーカーペット下への配線作業
ここまでピラーに沿ってアンテナケーブルを敷設してきましたが、ここからはフロアカーペットの下へ敷設する作業となります。カーペットがめくり上がる場所からケーブルを通すために、とりあえずスカッフプレートを外してみて内側がどのような構造になっているか確認してみることにしました。
スカッフプレートを取り外す
スカッフプレートはとても確り固定されているので、内装はがしを後席側の隙間から差し込んで浮かせます。
内装はがしを使えば大抵の物は簡単に外せるのですが、スカッフプレートは非常に硬く固定されているので、簡単に外れてくれません。外して分かりましたが、スカッフプレートの爪に対する車体側のキャッチが金属製でしかも爪付き。これでは簡単に外せない訳です。
スカッフプレート外すコツとしては、上の写真のように外側から内側(室内側)へ起こし上げると外しやすいと思います。ただしスカッフプレートに車名が入ったアルミの銘版が取り付けられている場合、無理に力を加えるとその銘版が曲がってしまうので注意して下さい。通勤快速ハリアーは、特別仕様のアルカンターラバージョンなので、イルミネーション付きの車名入りスカッフプレートになります。
外したスカッフプレートの裏側です。上手く外さないと、かみ合わせるスカッフプレート側の爪が折れたり捻じれたりして、元に戻すときに浮いたり、確り嵌らなかったりする可能性があるので、力任せに勢い良く外さず慎重に外した方がいいでしょう。何度も外したり付けたりしていると、固定力が弱まりそうです。
スカッフプレートの中には太いケーブルが這っているので、一緒にアンテナケーブルを這わせます。必要に応じて結線バンドで固定すると、スカッフプレートを戻すときにアンテナケーブルの噛み込みを防げます。
さて、スカッフプレートの内側まで引き込んだアンテナケーブルですが、スカッフプレートを外したところフロアーカーペットが少しまくれる事が分かったので、ここからカーペットの下へアンテナケーブルを這わせることにしました。
フロアーカーペットの下へケーブルを通す方法
フロアーカーペットの下へケーブルを通すと言っても、腕が入る訳ではなく、ケーブルを押し込んでも通りません。こんな時に役立つのが専用工具です。狭い場所へ部品を落としたときに拾い上げるためのマジックハンド、
その名もベンリーキャッチです。名前は掴み損ねていますが、ベンリーキャッチを使うと簡単にケーブルを通すことができます。
助手席下には、後部座席の足元へエアコンの風を送る吹き出し口があります。この周囲はカーペットが固定されいないので、ここからスカッフプレートへ向けてベンリーキャッチを差し込みます。
スカッフプレート脇からフロアーカーペットをめくり上げるとベンリーキャッチの先端が顔を覗かせるので、アンテナケーブルのコネクターを掴ませます。この時ケーブルに傷を付けないように注意します。
コネクターを掴んでゆっくりベンリーキャッチを引き抜くと、フロアーカーペットの下へアンテナケーブルを通すことができました。本来、カーペットの下へケーブルを這わせるとなると、内装を取り外したりシートを取り外すなど大変な労力と時間を要す作業ですが、こういった便利な工具を使う事で素早く簡単に作業ができるのでとても便利です。
アンテナケーブル配線後の車内の様子
助手席の下までケーブルを敷設したらスカッフプレートを元に戻します。スカッフプレートの爪が車体側のキャッチに乗っているか確認して押し込みます。叩き入れるが正しい表現かな?あと、イルミネーションが組み込まれているスカッフプレートは、その照明のコネクターを挿し忘れないように注意して下さい。点灯しなくなります。
上の写真はアンテナケーブル敷設後の写真です。車内からケーブルが見えることはありませんし、カーペットの下へ通したケーブルも浮き上がる事無く綺麗に収まっています。
あまりにも記事が長くなるので、この先の作業の様子は、新たなページで紹介します。
記事のまとめ
室内からアンテナケーブルが見えないように綺麗に敷設しようとすると、内装を取り外したりカーペットをめくらないとならないので、かなり面倒な作業を予想していましたが、実際に作業を行ったところ意外と簡単に、短時間で終わらせる事ができました。特に難しい作業はありませんが、フィルムアンテナが綺麗に貼れると仕上がりの満足度が違うので、事前に貼る位置や貼り方をシミュレーションしておくと、綺麗に貼れるでしょう。
この記事へのコメントはありません。