スマホに入っているお気に入りの音楽を、ハリアーのカーオーディオで聴く方法について紹介します。スマホの音楽を車で聴くために使っているブルートゥースレシーバーの紹介とその接続方法。また、音質や使い勝手などを紹介します。
ハードウェアの進化に取り残された純正オーディオ
ハリアーの純正オーディオには6連装のCDチェンジャーとMDプレイヤーが備わっています。ハリアーに乗り換える前まで歴代の車には、パイオニア製のナビとオーディオを移植し続け、そのシステムの中に6連装のMDチェンジャーがあったので、ハリアーへ乗り換えた直後はMDも聞いていました。
その後、音楽の編集がパソコンで行えるようになると、MDからパソコンで焼いたCDを聴くようになったので、ハリアーの6連装CDチェンジャーはとても重宝しました。やがて音楽の購入方法がCDからダウンロードへと変わったことで、音楽の再生方法がCDからiPodへと変化。今はiPodの役割も終わり、ハリアーで聴く音楽はスマートフォンで再生するようになりました。
時代が変われば音楽の再生方法の主流も変わるので、すでにハリアーの純正オーディオも時代とのズレが生じ、使い勝手が悪いものになっています。ただしハリアーの純正カーオーディオには外部入力の機能が備わっているので、VTRアダプターを使って外部入力からスマホの音楽を取り込み、車のスピーカーから流すことができます。そこで私が実際にスマホ(iPhone)の音楽をハリアーで聴いている方法について紹介します。
FMトランスミッターかVTRアダプターか
スマホの音楽を聴く方法として、FMトランスミッターを使って無線(電波)で音楽信号を送る方法と、ケーブル(VTRアダプター)を使い有線で信号を送る二つの方法があります。
FMトランスミッターとは
スマホの音楽信号をFM電波で飛ばし、車のFMラジオでその電波を受信して音楽を聴く方法です。カセットテープが主流だったころから使われている技術で、スマホの音楽を聴く方法としても、広く一般的に用いられている方法です。FMトランスミッターをシガーソケットへ差し込むだけなので配線が不要で、ほとんどの車に取り付けることができ設置が簡単なのがメリットです。
デメリットとしてノイズを拾うので音質が低下すること。周囲にFMトランスミッターを使っている車があると混信する可能性があること。そして微弱ながら電波を出すので、車載コンピュータなどへの影響が考えられます。特に格安製品の中には、法規制を無視した強い電波を出しているものもあるようです。JAAMA(全国自動車用品工業会)発行のELPマークを取得した微弱無線設備適合製品を選ぶことをお勧めします。
VTRアダプターとは
カーオーディオの外部入力端子(AUX)と外部機器をケーブルを使ってつなぐ方法です。有線で信号を送るので、FMトランスミッターの弱点である音質の低下やノイズや混信の心配がありません。ただしカーオーディオの種類によっては、外部入力端子が備わっていないので、全ての車に用いることができるとは限りません。ハリアーの純正オーディオには外部入力端子が備わっているので、VTRアダプターを使った有線接続が可能です。
通勤快速ハリアー号は、すでにVTRアダプターを備えていること。そしてスマホの音楽をより音質良く聴くために、VTRアダプターを使った有線接続を行っています。
AUX端子をワイヤレス化|エレコムLBT-ACR02HFBK
通勤快速ハリアー号では、スマホの音楽を聴くためにエレコム(ELECOM)の車載ブルートゥースオーディオレシーバー「LBT-ACR02HFBK」を使用しています。
スマホからブルートゥースで発信された音楽信号を「LBT-ACR02HFBK」のレシーバーが受信し、AUX端子(Φ3.5mmステレオミニプラグ)から出力します。このブルートゥースレシーバーを選んだ理由は以下の通りです。
高音質コーデックACCに対応
高音質コーデックAACに対応しているのでiPhoneではより高音質で音楽を楽しめます。
コントローラーで音楽の再生・停止が行える
スマホを直接操作しなくてもコントローラーで音楽の再生・停止・送り戻しの操作ができます。スマホのプレイヤーを操作をしようとすると、どうしても画面を見なければなりませんが、コントローラーであればボタンに触った感覚で操作できるので、わき見の心配がありません。
ハンズフリー通話が行える
コントローラーにマイクが内蔵されており、ハンズフリーによる通話が行えます。車のオーディオスピーカーから着信が聞こえたら、コントローラーの再生ボタン(マルチファンクションボタン)を押すことで電話を受けることができ、通話が終わったら再び再生ボタンを押すことで電話を切ることができます。
その他にも急速充電に対応したUSBポートが備わっているので、スマホを充電しながら音楽の再生が行えます(充電用USBケーブルは付属していません)。なお「LBT-ACR02HFBK」は既に販売が終了しており、後継機として、LBT-ACR11BKが販売されています。
LBT-ACR02HFBKの取り付け方法
車載Bluetooth(R)オーディオレシーバーLBT-ACR02HFBKの構造は、電源となるシガープラグとブルートゥースのレシーバーとマイクを兼ねたコントローラー。そして音楽信号を出力する3.5mmステレオミニプラグといたってシンプルです。
写真の中で3.5mmステレオミニプラグが挿してある白いケーブルは、ステレオミニプラグをRCAピンプラグへ変換する変換ケーブルです。VTRアダプターはRCA端子なので変換ケーブルが必要になりました。ただしこの変換ケーブルは、以前iPodを使っていたときのケーブルセットへ付属していたものを流用しています。レシーバーには付属していないので、手元に無ければ同じエレコムのRCAピンプラグ変換ケーブルDH-MFWR03もしくは同等品が必要です。
ハリアーへの取り付けは難しいことはなく、シガープラグをシガーソケットへ挿入し、3.5mmステレオミニプラグを変換ケーブルを介してVTRアダプターのRCA端子へ接続します。コントローラーは台座を介して両面テープで固定します。コントローラーと台座は取り外すことができます。コントローラーは青いLEDが明るく光るので、夜間でも目障りでない場所へ設置するのがいいでしょう。
LBT-ACR02HFBKのペアリング方法
ハリアーへレシーバーを取り付けたら、次にブルートゥースのペアリングを行います。私はiPhoneを使っているので、ここではiPhoneの接続方法について説明します。なおレシーバーのパッケージには本体と取扱説明書の他に、Bluetooth簡単接続ガイドが付属しており、iPhone(iOS)、Android、WindowsPhoneのほか、ブルートゥースを搭載したガラケーについてもペアリング方法が詳しく解説されているので、説明通りに操作すれば簡単にペアリングを行えます。
1.レシーバーをペアリングモードにする
それではペアリング手順をiPhoneを例にお伝えします。まずエンジンをかけてレシーバーのシガープラグをシガーソケットへ挿して電源を入れます。次にリモコン(コントローラー)の再生ボタン(マルチファンクションボタン)を3秒以上長押しします。するとリモコン外周のLEDが赤と青、交互に点滅してペアリングモードになります。
2.iPhoneのブルートゥースをONにする
レシーバーの電源を入れたら次にiPhone側の操作になります。メニューリストから「設定」→「Bluetooth」をタップします。Bluetoothの設定画面が表示されたら、Bluetoothのスライドスイッチを「ON」にします。
ちなみにスクリーンショットに表示されている「RD-900」は、私が使っている体重計のブルートゥースなので気になさらずに。
3.「LBT-ACR02HF」の表示をタップする
ブルートゥースのスライドスイッチをONにしてしばらくすると、画面上の「その他のデバイス」へ「LBT-ACR02HF」が表示されるので表示名をタップします。
4.「自分のデバイス」へ表示されれば接続完了
「LBT-ACR02HF」が「自分のデバイス」へ追加されて、接続状態が「接続済み」へ変われば接続は完了です。ペアリング作業はこの一回のみで、次回からはスマホのブルートゥースがONの状態でレシーバーに電源が入ると自動的にブルートゥースが接続されます。
ただしレシーバーの電源が入ってから(エンジンが掛かってから)スマホのブルートゥースをONにしても「未接続」のままで自動的に接続されません。この場合、「設定」→「Bluetooth」から「LBT-ACR02HF」を個別にONにして手動で接続すると接続できます。
なおiOSのバージョンによって画面の表示が多少異なりますが、手順に大きな違いはないと思います。
音楽だけじゃない!ゲーム音楽もスピーカーから聞ける!
ペアリングが完了したら音楽を再生してみます。まずハリアーのオーディオの電源を入れて、ソースを「テレビ」にします。次にEMVの画面上に表示されている「VIDEO」をタップすると外部入力へソースが変わります。その状態でスマホのミュージックプレイヤーで音楽を再生すると、スマホの音楽がハリアーのスピーカーから流れます。
ボリュームの変更はスマホでも可能
音量はカーオーディオのボリュームのつまみをまわすことで変えられますが、iPhoneの場合は画面上の音量スライダーをなぞるか、ボリュームボタンで調節可能です。着信音の音量だと、音が出ているのか分からないくらい音が小さいので、iPhoneの最大音量に対して7~8割くらいまで音量を上げると、CDやラジオなど他のソースと同じくらいの音量で再生されます。音楽プレイヤーの音量を上げても、着信音の音量は変わりません。アンドロイドはスマホが無いので検証できていません。
音楽だけではなくゲーム音楽も楽しめる
ブルートゥース接続を行うと音楽だけでなく、操作音などスマホから発せられるあらゆる音をスピーカーから流すことができます。例えば撮影した動画の音声や、またスマホゲームのゲーム音楽もスピーカーから流せるようになります。私はIngressを楽しんでいますが、なかなかの臨場感と迫力でゲームを楽しめます。ただし運転中のスマホ操作は止めましょう。
スマホの音楽をカーオーディオで聴いてみた感想
ブルートゥースの接続はとても安定しており、またレシーバーからカーオーディオのあいだはVTRアダプターを介した有線接続なので、ノイズが入り込むこともなく音質良く音楽を聴くことができます。最高の音質で音楽を聞くのであれば、やはりCDに分がありますが、そこまでの高音質よりも、新しく購入した曲を簡単に取り込める気軽さだったり、再生リストの編集などの使い勝手が自分の中では勝っています。
一方で通勤快速ハリアー号はVTRアダプターへ地デジチューナーも接続してあるので、スマホの音楽を聴くには地デジチューナーの電源を切るという余計な操作が加わります。たったワンアクションですが面倒くささを感じてしまいます。後付け機器の宿命で仕方がないところでしょう。
今回紹介したレシーバーはVTRアダプターが必要なので、レシーバーだけ買えばすぐに使えるものではありませんが、すでにVTRアダプターが取り付けられていたり、AUX端子がある社外オーディオを装着されている方であれば、音質良くスマホの音楽を聴く方法のひとつとして参考にしていただければと思います。
連日すみません。このタイプはBluetooth増設に適してますか?
実際に使ったことがないので確かなことは分かりませんが、汎用品なのでハリアーとの相性は問題ないと思いますよ。
Bluetoothでスマホの音楽を聴く方法について聞きたいことがあるんですけど、地デジチューナーを接続したあとにBluetoothでvtrアダプターつかって接続出来るのですか?
地デジチューナーとBluetoothどっちも付けることは出来るのか回答お願いします。
地デジチューナーとBluetoothレシーバーを接続するために、分岐ケーブルを使用しています。こちらのページをご覧ください。
http://tuukinharrier.com/car-goods/device/