これまでフィルムアンテナ取り付けと地デジチューナーの電源の取り出し方法について紹介しましたが、今回はアンテナケーブルと電源ケーブルの最終的な敷設と、リモコン受光器のケーブル敷設、そして地デジチューナー本体の据え付けまでを紹介します。
助手席側アンテナケーブルの配線
助手席下まで仮敷設したアンテナケーブルを、助手席下から地デジチューナ本体を設置する運転席下まで敷設します。助手席下までの仮敷設で活躍したベンリーキャッチをセンターコンソール側からカーペットの下へ差し込んで、助手席下のアンテナケーブルを引き込みます。
センターコンソールをまたいだら、運転席下にあるエアコン吹き出し口の周囲から、カーペットの下へベンリーキャッチを差し込んで、運転席下までアンテナケーブルを引き込みます。コンソールボックスは前後にスライドするので、可動部分に巻き込まれないように敷設します。
助手席側と同様に、運転席下のエアコンの吹き出し口周囲のカーペットは固定されていないので、この部分からアンテナケーブルを引き出します。アンテナケーブル以外にも、この後に作業を行う電源ケーブルとリモコン受光器のケーブルも同様にこの部分から引き出します。
リモコン受光器ケーブル配線
次にリモコン受光器の取り付けとケーブルの敷設を行います。後付けしたものが車内から見えるのが嫌なので、目立たない場所へ設置しようと考えた末、シガーソケットの隣へ設置することにしました。シガーソケットの隣であれば、受光器もそのケーブルも目立ちにくく、助手席側からリモコンを操作しても感度に影響がなさそうなのでこの場所に決めました。
まずはシフトレバー周辺のカバーを外し、コンソール内部へ受光器のケーブルを通します。手順として上からケーブルを落として、下から引っ張り出してもいいのですが、受光器のケーブルは5mもありとても長いので、足元のコンソールカバーとカーペットの隙間から受光器をコンソール内へ押し込んで、ベンリーキャッチを使って上から受光器を引っ張り上げました。
いざ取り付けるタイミングになって気が付いたのですが、リモコン受光器のどちらが受光側なのか分かりません。説明書を読んでも書いてありません。よく分からないままでしたが、取り付けマニュアルのイラストを信じて写真の向きで取り付けました。結果的にこの向きでよかったようです。
受光器のケーブルは太さがあるので、パネルにケーブルを通す溝を加工するとパネルが綺麗に収まると思いますが、加工が面倒だったのでケーブルを噛んだまま強引にはめ込みました。パネルの浮きは目立ちませんが、やはり気になるので気が向いたら溝を加工します。多分そのうち。
受光器のケーブルはかなり余るので、ケーブルを束ねてインシュロックで固定したのち、カーペット下の隙間へ収めました。アクセサリーソケットの逆側(助手席側)にちょうどいい隙間がありました。受光器ケーブルのチューナー取り付け側も、ベンリーキャッチを使って運転席下へ通します。今回の作業で唯一、車内から見える配線がリモコン受光器のケーブル。僅か2センチほどですがカーペットの上を通すことにしました。
電源ケーブル配線の工夫と注意点
最後に電源ケーブルを配線した、フロントアンダートレイを元通りに取り付けます。プラスの電源ケーブルがむき出しなのが気になったので、以前の作業で余って10年くらい保管していたコルゲートチューブを被せ、ずれないようにインシュロックで固定しました。
フロントアンダートレイを取り付けるさいに、アクセサリソケットのコネクターを車両側のコネクターへ接続することを忘れないでください。これを忘れると電源が供給されないのでテレビが映りません。またアンテナケーブルやリモコン受光器のケーブル、電源ケーブルがコンソールボックスのスライド機構へ噛まないように確認しながら、フロントアンダートレイを取り付けます。特に電源ケーブルは被覆がむけて、内部の電線がボディーに接触するとショートしてしまいます。電源ケーブルの引き回しは特に注意して下さい。
左右のアンテナケーブル、電源ケーブル、リモコン受光器のケーブルを運転席下のエアコン吹き出し口から引き出しました。これでケーブル類の配線作業は全て終わりました。この後、地デジチューナーを繋げて作動確認を行いますが、万が一不具合があった場合に備えて、コンソールボックスの設置は作動確認後が良いでしょう。
地デジチューナーの作動確認
フィルムアンテナとアンテナケーブルの接続
必要なケーブルの準備ができたので、地デジチューナーが正常に作動するか確認します。まずはフィルムアンテナへ、アンテナケーブルの端子を取り付けます。アンテナケーブルの接続端子には突起部分が2ヶ所あるので、フィルムアンテナにプリントしてある▲マークに合わせて貼り付けます。アンテナケーブルの接続端子に貼ってある両面テープは貼り直しができそうにないので、事前に貼る位置を確認した方が良いでしょう。
地デジチューナー本体へ各ケーブルの接続
地デジチューナー本体へアンテナケーブル2本、電源ケーブル、リモコン受光器の各ケーブルを差し込みます。続いて地デジチューナーに付属されているRCAケーブルを使って、地デジチューナーとVTRアダプターを接続します。作動確認なので、とりあえず配線はグチャグチャなまま。
チャンネルスキャンが自動的に始まる
配線ができたらエンジンを掛けて、EMV画面下の「TVボタン」を押します。次に画面上の「VTRボタン」を押して外部入力へ切り替えると、すでにチャンネルスキャンが始まっていました。特に操作はしていないので、自動的にチャンネルスキャンが始まったようです。
しばらくしてチャンネルスキャンが終わると、無事に地上デジタル放送が映りました。画質と音質の良さと乱れる事がない安定感に感動し、ちょうど放送していた男子プロゴルフの中継をつい見入ってしまいました。
作動チェックの結果、無事に地デジが映ったので、最後にコンソールボックスの取り付けと、地デジチューナーを運転席下へ設置して全ての作業が終了となりました。
地デジを設置してみた感想
街中ではほぼフルセグを受信
アナログ放送では、映像が乱れたり音声にノイズが入るなど、快適にテレビを視聴できるものではありませんでしたが、デジタル化したことで画質も音質も劇的に向上しました。
今回取り付けたパイオニアの地デジチューナーGEX-700DTVは、通常フルセグを受信し、電波状況が悪くなるとワンセグへ自動的に切り替わる機能が備わっています。山間部など電波が入りにくい場所では一時的にワンセグへ切り替わることがありますが、基本的に常時フルセグを受信しているので、高画質高音質でテレビを楽しめます。走る方角が頻繁に変わる市街地走行では、電波の受信感度が強くなったり弱くなったり常に変わるはずですが、そのような状況でも安定してフルセグ映像を映し出すのは、2アンテナ2チューナー方式が功を奏しているのかもしれません。周囲に高い建物がある都市部や、山間部での利用が多いようでしたら4アンテナ4チューナー方式をお勧めしますが、開けた市街地での利用であったり、とりあえず映ればいいということであれば、2アンテナ2チューナー方式で十分でしょう。
フルセグとワンセグ、その差は歴然
地デジチューナー購入時に、フルセグチューナーとワンセグチューナーどちらを選ぶか迷いました。エレクトロマルチビジョンの画面はハイビジョンではないので、フルセグのチューナーを購入しても意味がないと思いながらも、悩んだ末にフルセグチューナーを購入しましたが、実際に使ってみてフルセグで正解でした。
ワンセグの画質は荒く、動きも滑らかさに欠けます。一方フルセグの画質はワンセグに比べ解像度が高く、明らかに動きが滑らかです。その違いはエレクトロマルチビジョンの液晶でも分かります。
そして音声ですが、こちらの違いはもう歴然です。ワンセグとフルセグの切り替わりがはっきり分かるほど音質は違います。例えて言うなら、AMラジオとFMラジオの音質くらい差があるので、音質の違いだけでもフルセグにする価値があると思います。フルセグとワンセグどちらにしようか迷っているのであれば、絶対にフルセグチューナーをお勧めします。
TVボタンを押すだけでテレビ映像が流れる
今回取り付けたパイオニアの地デジチューナーGEX-700DTVは、エンジンの始動と同時に電源が入ります。純正オーディオのTVソースは、一度外部入力(AUX)へ切り替えると、以降外部入力のまま設定が保持されます。したがってEMV画面下のTVボタンを押すとすぐに地デジが表示されるので、使い勝手が極端に悪くなることはありません。チャンネルの切り替えだけはリモコンを使う必要があります。
記事のまとめ
車内を通すケーブルを上手く隠せるか、手探りで配線を行ないましたが、リモコン受光器以外の配線は上手く隠す事ができ、車内から見ても後付け感なく綺麗に設置できました。地デジの画質は、アナログ放送時のような映像が分からなくなるような砂嵐は出ませんし、音質も良くとても満足しています。緊急時の情報収集手段としても、ぜひ地デジチューナーの取り付けをお勧めします。
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